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ドメイン&ホスティング、解約申請はそれぞれに

お客様が何に困っているかを理解することの大切さ
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とある金曜日、インフォメーションの窓口への問いで、ご契約者様ではないウェブ制作会社、N社よりお問い合わせが来ました。

「なぜA社宛にサーバーの更新の請求書が来たのか。なぜ解約になっていないのか」

N社にはじまり、ご契約のA社、そして最後はE社も登場してくる電話対応……。

無事、ご担当者様の承認をいただき解約にたどりつくことができるのか?

解約したはずなのに請求書が届いた

私が最初に電話を受けたのは、契約者であるアミュパーク株式会社様(以下敬称略)ではなく、アミュパーク社に委託されたウェブ制作業者様のネットレモン社様(以下敬称略)からでした。

お客様
アミュパーク社さんについて質問があります。ドメインを御社から他社に移管して久しいと思いますが、御社からホスティング(レンタルサーバの契約)についての請求がアミュパーク社に届きました。どういうことかと思いまして。
サポート
お電話いただいている方の会社名とお名前をうかがえますか。
お客様
ネットレモン株式会社山吹といいます。現在サーバーを管理しているのはうちです。
サポート
確認しましたところ、以前いただいた解約申請についてはドメイン契約だけだったようです。しかし、ホスティング契約も更新しないのがご希望ということなのですかね。
お客様
そもそもドメインが解約できているのにホスティングが解約できていないなんてことはありえないんじゃないですか?

約10か月前の履歴を見ると、ドメインとホスティングのそれぞれに、解約申請を出してくださるようお客様には連絡していました。ただ、当時のご担当者様が解約申請を出してくださったのはドメインの契約に対してのみでした。

それぞれの契約更新時期を確認すると、解約のお問い合わせのあった少し前に、ホスティングについては年払いの更新を終えたばかりの状態でした。

おそらくですが、このお客様がドメインのみ解約された時期には、

「ドメインは更新時期が迫ってるから早々に解約しよう。ホスティングについてはまだ時間の猶予があるから、移管の目処がついたら解約しよう」

と思っていたのかもしれません。そして、最終的にはホスティングについては解約申請を忘れたままだったようです。

支払いがなければサーバーは止まります

電話の陰でちょこちょこ解約の経緯を確認しながら予想できることはありました。しかし電話の相手は契約者ではありませんでした。

サポート
契約者様ではないので、あまり詳細な経緯をお伝えできません。一般的なお話になってしまいますが、年払いの請求書をお送りしている方については、銀行振込のお支払いとなります。もしホスティング契約が不要ならばお支払いをされなければサーバーは止まります。先払いの次回の請求も発行されません。

と回答しながらも、このお客様の言葉に引っかかるものがありました。何か最初から沸騰されているような感じがあったのです。

お客様
でも普通はドメイン解約っていったらホスティングも解約だとわかるだろうになんでこんなことになるんですか?

この台詞は二度目でした。

実際のところ、このお客様の契約はドメイン名1つしか運用できない古いプランでした。このような仕様では、ドメインだけ解約してホスティングを残して運用するパターンはあまり多くありません。ただし、ドメイン更新料金が当社より安かったり、ドメインの管理画面が当社のものよりも使いやすいという理由で、ドメインについては他社で管理するというケースもあります。

つまり、ドメイン契約なしでホスティング契約を継続するという選択肢もありえるのです。しかしお客様が怒っていらっしゃるようだったので、これについて真正面から回答してもこちらの言い訳としか取っていただけない可能性がありました。

ただ、この時点でわからなかったのは、なぜ第三者であるネットレモン社がこんなに当社に対してお怒りなのだろうというところでした。

お客様
昨日電話したとき、この請求については御社からの請求で間違いないといわれました。まるでどうにもならないという感じだったので。でも、それはおかしいでしょ。

ここまでお話をうかがって、手元で直近の履歴を検索し始めると、なんとなく経緯が見えてきました。昨日の段階でご契約のアミュパーク社がお電話をくださっていました。そこで交わされたのは以下のようなやり取りでした。

アミュパーク社:「この請求については御社からの請求で間違いないのでしょうか」

さぽ:「間違いなく当社からの請求です」

アミュパーク社:「全然使ってないのですが、おかしくありませんか?」

さぽ:「事前に解約リクエストを発行いただければ請求は送りません」

電話履歴を読みつつ、おそらくこんな一問一答形式の回答だったのではないかと思いました。

お客様は

「この請求は、本当に現在も使っているホスティング契約なのか? 不要な請求なのでは?」

という現状の利用状況も確認したい気持ちが含まれていたようです。それに対して昨日のこちらの対応は型どおりのもので、お客様が何に困っているかを理解しようとする努力が足りていませんでした。結果的にお客様には、

「解約手続きをちゃんとされていなかったから請求が配送された。自分たちが悪いように言われた。自分たちは使ってないと思っているのに、サーバーの料金は払うしかないのか?」

というようなイメージが刷り込まれてしまいます。そのご相談を受けたネットレモン山吹様は

「そもそも、ドメイン解約したのにホスティング解約しないなんてひどいじゃないか。普通はセットだろ? ぼったくりではないか」

とアミュパーク社を助けたいという気持ちが高まったのではないかと思われました。

サポート
解約についてはドメインとホスティング、それぞれに申請いただくように当時のご担当者様に案内済みではあったのですが、詳細はお伝えできないため、まずは当社からアミュパーク社側に確認します。当時の解約をご対応をご担当されていたのはネットレモン社様とは別の業者様ですよね?
お客様
いや、他の業者がいたかどうかは私は知らないです。それに、今御社のサーバーを使っているかどうかもわからないのです。

ご担当の山吹様も少し口調が落ち着いてこられました。請求が到着していても、先払いの仕様であり、「使ってないサーバーならば支払わなくてもよい」という情報もなかったのかもしれません。

ネットレモン社、アミュパーク社、そして新たな社名……

サポート
山吹様もご存知のように、アミュパーク社様のドメイン移管が終わって久しいですし、当社でのご契約サーバーのIPアドレスを向いているホスト名もないように見受けられます。
 
こちらで登録されているアミュパーク社の電話番号情報を参照して電話連絡をし、ご担当者様にお話をさせていただきます。ちなみに、山吹様(ネットレモン社)がいまやり取りをされているアミュパーク社のご担当者様のお名前を教えていただいてもよろしいですか。
お客様
アミュパーク株式会社の船堀支配人です。

一回目の電話はここで終わりました。

ちなみに、アミュパーク社の担当者として伺った船堀様は 当社で記録されていた担当者とは異なる方でした。当社の登録では、契約者名は「アミュパーク株式会社」でしたが担当者のメールアドレスは、大島様という方で、大島様のメールアドレスは有限会社イー・リバーという別会社のドメインのものでした。

四宮さん登場

私としては本件については、前回の対応に対してのクレームに近いと感じていました。そこで電話しながら併行して、当社企画、サポート担当の四宮さん(仮)に、このお客様の件で若干クレームっぽくなっていること、当社システムに登録されている担当者はアミュパーク船堀様でもなく、ネットレモン大島様でもなく、イー・リバー大島様という方になっていることを伝えて相談していていました。

この四宮さんについては、「探偵」とか「Mr検証」とか「人間にほどよく似たロボット」とかいろいろな異名があります。目がひどく悪いのにいろいろなことをフィルタリングして見つけるという、私からすると特殊能力をお持ちです。忙しい方ですが大変頼りになるのです。

四宮さん調べていわく

「EX-CLOUDのサーバーについてはもう使われなくなって久しい。アカウントや設定は残っているけれど、アミュパーク社関連アカウントのログイン履歴はないから、支払いしなくてよいと伝えてもらって大丈夫」

とのことでした。

今度はサポートからアミュパーク社に電話をかけましたが、ご担当と伺っていた船堀様は外出中でした。

アミュパーク社の業務はアミューズメント業であり、細かい内容を伝えても会場の音で聞き取れない可能性もありました。そこで、非常にシンプルな伝言を船堀様にお伝えいただくようお願いすることにしました。

サポート
当社から○○○○円の請求書が届いているが、払わないでよいものである、と船堀様にお伝えください。

あらためて文字にすると、まるで「架空請求をしている、当社はあぶない会社よ」と言っているような気分になります。ありがたいことに、電話を受けた感触から、この方ならしっかり伝えてくださると確信しました。

担当者様とお話して解約申請をしたい!

ここまでで、お支払いをしなければサーバーは止まる、サーバーは使っていなさそうだから請求については払わなくていいという情報を伝えるミッションは終わりました。

ただし、「解約申請」については発行しておかないと、当サポートの別のものが「こちらのお客様払い忘れかな。時間があったら電話してあげようかな」と対応してしまう可能性がありました。すべてのお客様に対し電話をしているわけではありませんが、年払いのお客様などは、タイミングをみて確認の連絡をしていることがあるのです。

こちらの手続きフローでは「解約申請」については、本来の契約者様や担当者様の承諾があってはじめて対応できることになっています。担当者様の同意がない限り、解約申請をサポートで代行する作業は行っていません。

「サポートで代行したとしても、この契約の解約を申請しておきたいのだけど、イー・リバー大島様ってつかまるだろうか」

と気になっていたので、四宮さんに別途相談しました。ほどなくして、Nさんが以下の追加情報をくれました。

「これまでのアミュパーク社様関連の問い合わせ履歴は、すべてイー・リバー大島様から来ている。イー・リバー社もEX-CLOUDのサービスにアカウントをお持ちの契約者で、当サービスを利用されている。おそらくアミュパーク社とイー・リバー社は関連会社で、現在もやりとりがある会社。たぶんイー・リバー大島様はメール、もしくは電話で連絡がつく方のはず」

最終的に、イー・リバー大島様に電話で確認し、アミュパーク社の件についても解約したいという意思確認が取れました。そして、ホスティングの解約の申請については当社で代行しました。

また、ホスティングの解約漏れは請求が発生しないように対応すればよいとは限りません。もうひとつの作業についても、四宮さんは指摘してくれました。メールサービスはすでに完全に外部に移管しているから、このアミュパーク株式会社さんのホスティング設定については、このドメインについてメールのスイッチをOFFにしておくという点です。そちらも対応しました。

メールスイッチのOFFとは何か

「メールスイッチのOFF」というのは あくまでも内部的な用語なので補足します。

Pleskであるドメインのホスティング設定をすると、次の「ウェブおよびメール」用の設定が自動的に行われます。

・「example.org」というドメインのホスティング設定をPlesk上に追加する

・ example.org用のウェブサーバーのドキュメントルートや関連ディレクトリを作成し、ウェブサーバー設定を行う

・「@example.org」のメールを「自分のローカル扱いのドメイン」として処理できるようメールサーバー内に準備を行う

その後それぞれのお客様が、ドキュメントルート以下にウェブコンテンツをアップロードしたり、お好みの「~@example.org」というメールアドレスを作成します。ウェブもメールも同じサーバー内で運用している場合は上記の通常設定のまま、「@example.org」のメールスイッチはON、つまりサーバー内のローカル配送対象のドメインとしてメールサーバーは認識します。

今回のアミュパーク社様のドメインは、ウェブもメールも同じサーバー内で運用されていたので、メールスイッチもONになっていました。サーバー内のメールスイッチオンはONのまま、DNSについては外部に切り替えられるようになりました。

DNSを切り替えてしまえば、外部から当サービスのサーバーにはメールは届かなくなりますので、多くのメールについては引越し先の新サーバーに届くようになります。ただし、共用サーバーの同じサーバー内に、アミュパーク社とお取引のある別のお客様が同居していて、アミュパーク社宛にメールを送ろうとしたらどうでしょうか。

メール送信のリクエストを受け取ったメールサーバーはアミュパーク社のドメインについては「ローカル扱い」として、サーバーの外には転送しません。そして、解約したつもりだったサーバーのメールボックスにメールを届けてしまうのです。

「@example.org」のメールはローカルではない(リモート扱いにする)という設定をするためには、管理画面上でメールのスイッチをOFFにするという作業をしておかなければなりません。

実際にアミュパーク様のサーバーに未読のメールがどれだけ溜まることになったかは今となってはわかりません。もしかすると、四宮さんの気づきのおかげで、外部サーバーに移行されていたアミュパーク様には「なんだか最近メールが○○社からメールが来るようになった」という変化があったかもしれません。

今回については古いプランのご利用のお客様でしたが、担当者様にご確認をいただき、解約申請までたどりつけました。さまざまな会社の方が登場しましたが、担当者の大島様と話したときは「この方はすべてわかっている方だな」という安心感がありました。

逆の立場で考えると、困って電話をしてこられたお客様が「この人と話ができてよかった。解決しそう」と思っていただけるようなサポート対応ができるといいなと思います。

ピックアップフレーズなぜ当社に対してこんなにお怒りなのだろう

四宮さんは甘党

青影青影
支払う前に不要な請求ではないかと疑った。

お客様へは調べる手間をかけさせてしまいましたが、支払い前でよかったかと思います。
不明な請求書が来ると、だれでも不審に思うものかもしれません。

少し状況は違いますが、他社にサーバーを移行したにも関わらず、解約するのを忘れて費用を支払い続けていたという連絡を受けたことがあります。

解約手続きを取られないとサーバーは使われなくても稼働していて、そこには費用が発生しています。弊社としても対処をすることはできず、こういったケースのお問い合わせは、個人的にも本当に無念で、なんだか申し訳ない気持ちにもなりながら対応をするのであります。
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赤影
赤影
生まれも育ちもこちらの事業部というサポートスタッフです。平素より筆ペンとGimpを愛用しています。
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