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一難去ってメール送信ができず

サーバーに残ったメールファイルを消したい [後編]
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前回の続編です。

ディスク容量を逼迫させる原因となっている不要なメールメッセージを削除したいというお客様のご要望があり、別のスタッフがそれに回答していました。ただ、話がなかなか進みません。

安心して週末を過ごすために、何とか金曜中にはメールメッセージの削除にこぎつけたいと思い、前任者に代わって私が担当を引き継いだのでした。

木曜夜、メール削除代行の提案を行う

なかなかメール削除までこぎつけない前任者の対応を横で見ていた私は、担当を代わってもらうことにしました。

まず、お客様のご要望を再確認し、場合によっては削除作業の代行をもちかけようと考えました。お客様に電話したのはサポート時間を少しまわってしまった木曜日の6時すぎでした。

会社の代表電話かと思ってかけたところ、担当の秋草様とすぐにお話しができました。お電話するまでわかっていなかったのですが、その方は女性で代表の方でした。40代半ばくらいでしょうか、個人事業主様だったようです。

サポート
一度、お客様のご要望とメールの利用状況を確認したいのですが。
お客様
メールはすべて転送設定しているので、サーバー側にメールを残す必要はありません。サーバー側のメールはすべて削除したいと思っているんですが。
サポート
メールメッセージの削除ですが、こちらで代行作業を行うことは可能です。お手数ですが、依頼をメールでいただくことはできますでしょうか。コンテンツの変更となると、こちらの判断だけで作業を行うことができないので。
お客様
もうPCを落としてメール出せないんですけど。

残念ながらタイミングが悪く、イライラしている様子でした。

サポート
そうでしたか。遅くに大変失礼いたしました。当社でこの作業をやってもいいか、というヒアリングのメールを出しておくので明日返信いただけますか。
お客様
はい。
サポート
明日の朝にでも返信お願いします。

電話を切った後、こちらから以下のようなメールを送りました。

先ほどはお忙しいところお電話で失礼いたしました。

お電話で伺いましたところ
1【存在するメールアカウント4件はすべて転送のみにしたい】
2【サーバー内に存在するメールのメッセージファイルをすべて削除したい】
とのことでした。

対象メールアカウントは以下の4件です。
aika@example.net
itservice@example.net
pradmin@example.net
webadmin@example.net

上記のご要望で間違いないでしょうか。
ご確認のご返信をいただけましたら、上記の内容の作業を
当社にて行わせていただきます。

金曜日朝、メールメッセージ削除が完了!

翌朝すぐに返信が来ました。金曜日の朝には以下のメールが来ていました。

大丈夫です。こちらで進めていただければと思います。

よろしくお願いいたします。

そこで、朝一番でメッセージの削除作業を行いました。実際の削除作業はそれほど手間のかかるものではありませんが、ここ数日の目標がメール削除だったこともあり、それなりの達成感がありました。

やっと落ち着けました。

また今後はメールボックスにもメールを貯めたくないということでしたので、Pleskから各メールアカウントのメールボックスの設定を無効にし、転送専用のアカウントにしました。

コラム:メッセージファイルを消す

メッセージファイルのファイル名にはメールサーバー名のmail.example.orgという文字列が入っています。まずはメールボックスディレクトリ以下でその条件にあうファイルを削除します。

find /var/qmail/mailnames/example.net/username/Maildir/ -type f  -name “* mail.example.org *” –exec rm {} \;

ついでに「maildirsize」ファイルも削除します。

find /var/qmail/mailnames/example.net/username/Maildir/ -type f  -name “maildirsize” –exec rm {} \;

maildirsizeのファイルには受信したファイルサイズなどの情報が随時記録されるのですが、このファイル内の情報を元に、そのメールアカウントが使用するディレクトリのディスク利用状況を計算しています。

ちなみにこのファイルは中をちょっと見ただけだと何のことだかわからないような数字の羅列です。Pleskは個々のメールアカウントのディスク利用状況をレポートとして表示する際、このファイルの中身を見たうえで、値を表示しています。

「メールソフトで受信して、サーバー内のメールを削除して」という場合は、メールプロセス側できちんとこのmaildirsizeの内容を更新してくれます。ただし、コマンド操作によって手動でメールを削除した場合はこのファイルは放置されたままです。

一度、手動でメールボックス内のメッセージをほぼ空っぽにした場合はこのファイルを消してしまったほうがよいのです。ちなみにまたメールが受信されたらこのファイルは新規に生成されます。

さらに余談ですが、別の「ディスク容量がぱんぱん」の実例で「/ (ルート)」ディレクトリ直下に大量のcore(コア)ファイルが作成されていたからというような時もあります。そういう場合は、ルートディレクトリ以下すべてではなく、「直下」に絞って以下のような作業をします。

find / -maxdepth 1 -name "core.*"  -exec rm -i {} \;

もちろん、ルート直下にcoreから始まる大事なファイルがあったら、もうちょっと絞りこまなければいけません。

金曜昼、一件落着せず。今度はメール送信できない

安堵したのもつかの間、今度はメールが送信できないというお問い合わせが来ました。

昨日はお電話にてありがとうございました。
設定も確認しました。

ただ、朝から弊社アドレススタッフ同士のメールが届かなくなってしまいました。
他のアドレスからは届くのですが、スタッフ同士のメールが全て届きません。
メールキューにも特に溜まっていないので、ご確認をお願いできますでしょうか?
よろしくお願いいたします。

私がメールログをきちんと見ていれば気づけたことだったかもしれません。

実はこのお客様は、受信の転送専用と思い込まれていたようでしたが、メール送信用にもこれらのアカウントを利用されていました。

このお客様はGmailを送信のメーラーとして利用されていました。具体的には次のような送受信の流れになります。

 ①「aika@example.net」からメール送信するときは、当社サーバーで認証を行ってから送信
 ②「aika@example.net」宛のメールは当社サーバーに届いたあと、サーバー内のメールボックスに届く
 ③ ②と同時に、お客様個人の「****@gmail.com」のアドレスに転送

今後メールを溜めないようにするため、メールボックスを無効にしたのですが、その際に送信に必要な認証設定も削除されました。
これによってメールの送信ができなくなってしまったということです。

とりあえず直近のディスクあふれ問題は一応解決したものの、メールが送れなければ問題は解決しません。そこで、いったんメールボックスを有効の設定に戻し、その旨をお客様にご連絡しました。

しかし、このままでは数年後にはまたメールボックスにメールが溜まってしまいます。スタッフの四宮さんに相談をしたところ、「通常のメールなら、受信は転送専用とし、送信用については共通の認証専用のアカウントを作って対応したことがある」とのことでした。

この手で進めようということになり、お電話で
「送信専用のアカウントを作り、メールソフト側(Gmail)の設定をしなおすこと」
「差出人アドレスのところには個々の既存のメールアドレスを指定するが、送信専用のアカウントについてはあえて外部には開示しないで利用すること」
という概要をお話しました。

before: メールが溜まりすぎていた転送用のメールアカウント。送信認証も行っている。

after:メールボックスを無効にした転送専用のアカウント。送信は行えなくなっている。

 

先ほどはお電話にて失礼いたしました。

【存在するメールアカウント4件はすべて転送のみに設定】
⇒今朝方こちらを設定しておりましたが、本日14時頃に元に戻しました。
ログを見たところ、Gmailで送信認証を設定されていらっしゃるようです。
送信認証を行うには、メールボックスがあり認証パスワードがあるアカウントが必要と
なるため、エラーとなっていたようです。

ただ現在の状態ですと再度各メールアドレスへのメッセージファイルが、再度サーバー内にたまっていきますので、あくまでも一時的なご対応と認識しており、先ほどお電話で 別の策についてお話をさせていただきました。

お客様にご対応いただきたい部分については、FAXで手順を送付しております。
もしFAXが受信できていなかったらご連絡ください。
こちらからの再度のお電話が遅れ、秋草様が外出中でしたので、
週明けにあらためて補足させていただきます。

<ご提案内容>
1.【aika,itservice,pradmin,webadmin各アカウントのGmail設定について
「sendauthfrom@example.org」という送信認証のためのアカウントで
Gmail側の設定の一部を調整いただく】(お客様対応)
⇒FAXで手順を送付いたしました

2.【1が完了したら再度
aika,itservice,pradmin,webadmin に関しては転送のみのアカウント
として設定しなおす】(当社対応)

3.【サーバー側にたまったメールについては再度当社で削除対応】
(当社)

よろしくお願いいたします。

4件のアカウントに設定しなおすのも大変かと思い、Gmailの設定手順の画像をつけて、FAXで内容を送付後、すぐにお電話をしました。しかしすでに外出されており、夜間帰社予定とのことでしたので、内容は来週補足させてくださいと伝言しました。

月曜朝、Gmailのメール設定のフォロー

週が明けて月曜日、お客様より返信が来ていました。送信いただいていたのは日曜日の夜中でした。こちらが休業中にFAXをご確認いただいていたようです。

ご連絡ありがとうございます。

FAXも確認しましたが文字が潰れてしまっていて読みにくく、設定するのが厳しい状況です。
メールでお送りいただくことが可能であればメールでお願い致します。

良かれと思って手順書を作ったのですが、いまひとつだったようでした。月曜朝一番にメールで設定手順を送りなおしました。

お送りしましたFAX本文が読みづらかったとのことでご連絡を
いただきました。大変申し訳ございません。

本文内容は以下の本文となりますが、
「送信認証用メールアカウント 情報」については
別途添付ファイルをご参照ください。

■Gmail送信認証変更手順(※こちらはご案内当時の手順ですので現在と異なっている可能性があります)

【1】Gmail>設定>アカウントとインポートメニューを開き 送信アドレス欄の「情報編集」をクリック

差出人用のメールアドレス
「aika@example.org」 等が確認できますので、「情報編集」をクリックします。

【2】「自分のメールアドレスを追加」のウィンドウが開く。
“別のメールアドレスの情報を入力してください”の画面では何も変更せず「次のステップ」をクリック

(メールアドレス欄の「aika@example.org」等は編集しません)

【3】「自分のメールアドレスを追加」“SMTPサーバー経由でメールを送信します”画面では
⇒ユーザ名を「sendauthform@example.org」に変更
⇒パスワードは後述の文字列(送信認証用メールアカウント情報)に置き換え、
⇒「変更を保存」をクリックする

パスワードについては添付を解凍いただけましたら、
「送信認証用メールアカウント 情報」欄に記載しております。

その他のメールアドレスについても同様に
ユーザ名:aika@example.orgおよびそのパスワード情報に差し替えてください。

送信専用のアドレスを別途設定することで
aika@example.org等の受信専用のメールアドレスのメールボックスを無効化
する準備が整います。

この後、何度かメールと電話でのやりとりをし、4アカウント分をすべて設定変更していただきました。その後、もともとあった4つのメールアドレスについてはメールボックスを無効にする設定をしました。

今後、新規アドレスを作成するときの手順についても教えてしいとのことでしたので、そちらについてもメールで手順をまとめてお送りし、対応を完了しました。

あれから1年以上経過していますが、4つのメールボックスにはもちろん新規メールはたまっていませんし、送信専用のメールアカウントへの不要なメールもたまっていません。

そもそもお客様は当初から「メールが溜まっているようだ。メッセージファイルを消してディスク使用量を減らしたい」とおっしゃっていました。関連するいろいろな質問をお送りいただいていたなかで、安易にお金をかけてディスクを増やす案に流れず、お客様の意思はぶれませんでした。

サポートをする側も、サポートを受けるお客様の立場になった場合も、情報を整理して曇りのない視点をもつことが解決への近道だなと思います。

ピックアップフレーズ

「FAXも確認しましたが文字が潰れてしまっていて読みにくく、設定するのが厳しい状況です。」

振り返ってみると、担当を変わってもらった本件は、時間外にお客様に電話をかけて迷惑になってしまったり、オリジナルの手順書を作ってFAXで送っても字がつぶれていたり、手をかけたつもりが空回りしてしまったような節もありました。

このお客様からお送りいただくメールは簡潔でわかりやすく、お話した時のクレバーで、ブレない印象そのままだったのを思い出します。今思い出しても背筋がピリッとします。

青影青影
良かれと思ってやったことが裏目に出てしまうことはあります。

その時の状況や人それぞれ考え方も違うので、どれが正しいとはなかなか一概には言えないようにも思います。私がお客様の立場だったら、たとえ少し遠回りの対応になったとしても、誠意を感じるとありがたかったなーと思います。

どう感じるかも人それぞれですが、こういった経験を今後の糧にしていきたいです。
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赤影
赤影
生まれも育ちもこちらの事業部というサポートスタッフです。平素より筆ペンとGimpを愛用しています。
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