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サポートサイトの作り方 その4

「作るとこういういいことがあるよ」
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CloudGarageのFAQページをブラッシュアップして作り直すことが決まり、この機会に「FAQ・オンラインガイドページの作り方」をまとめるとこにしました。第一弾では「やらないほうがいいこと」、第二弾ではFAQとガイドの話、第三弾はCMSの話でした。

最終回は、「作って良かった! サポートサイト」。

これからサポートサイトを作り始めようと思う人には、すこし気が重いかもしれませんが、サービスが生きている間は、サポートサイトも作り終わるということはありません。「サポートサイトが更新されているおかげでいいことがたくさんある!」と信じられれば、続けていけるモチベーションにもなるのではないでしょうか。

サポートページを作るきっかけ

サポートページ(FAQ、ガイド)を作るきっかけですが

「サービスを販売するならFAQコーナーがあるのが普通だよ。コンテンツ作ってほしい」

というような話を誰かから持ちかけられたとか、

「A社のFAQがすばらしい!ぜひ当サービスでこんなのを作ってみてほしい」

と上司に依頼されたとか、受身のきっかけも多いことかと思います。

最初、サイトを作りはじめるきっかけは何だってよいのだと思います。おそらく重要なのは、その後サポートページが生きて成長していけることです。

SEO効果や、サイト内回遊を狙ってコンテンツを充実させようと、最初だけたくさんページを作ってみたとしても、サイトが生きていなければあまり意味はありません。他社のサイトをお手本にしつつ、ページを作成することはできますが、やはりそこには限界があります。

サポートサイトが生きて成長するには、サイトの更新者がなんらかのモチベーションを感じられることが大事だろうなと思います。

サポートページを作ってよかったと思う点

これまでFAQ記事を多く更新させていただいた私としては「サポートページっていいものだ。作ってよかった」と感じることは少なくありません。どんないいことがあったかを改めて振り返ってみることにします。

1)サポートスタッフ(更新者)の頭の整理

私の立場で言えば、基本は自分があとで楽をするために作っています。

たくさんの情報に囲まれて、いちいち整理できていないときこそ、ちょっとの空き時間を作ってFAQを作成しようと思います。わずかな時間ですが、外向きのなるべく一般的に通じる言葉で書いていく間に、頭の中がすっきりして、自分たちのサービス仕様を改めて認識しなおすことができます。

2)備忘と情報共有

メールでお問い合わせを受けて、画面操作を案内するとき、箇条書きで手順書を書いてメールにしたためることがあります。ガイドにもFAQにもない情報なら、あらためて画面上の文言を確認しながら回答を書きます。

確認しながらメールに書いた場合、それをメールで送りっぱなしにするのはもったいないだけでなく、表に出して共有しておかないと忘れてしまうのです。

別のスタッフが送った上手にまとまった内容のメールの回答を見つけたら「FAQ化しちゃいますね」と言ってやってしまうこともあります。

FAQの形で掲示しておけば、お客様がサポートページを検索してご自身で解を見つけていただけるかもしれません。

また、お客様から電話でお問い合わせをいただいたときも、サポートスタッフがサイト内検索して読みながら回答したり、メールでの問い合わせの時もURLを貼り付けて返信したりすることができます。

3)サービスサイトの補足案内が柔軟にできる!

サービスサイト、つまり、サービス紹介をしているサイトは表玄関です。

表玄関には、読みやすい表札、テーマカラー、シンプルにわかりやすくサービス名と価格を表示して、わかりやすいスペック表を掲示し、いつもかっこよく、見栄えよく、お客様を迎えてほしいと思います。つまり細かい説明まで長々と書いていられないのです。

「サービスのリリース時には具体的な説明の作成まで間に合わない」という場合、サービスサイトには関連するオンラインガイドのリンクを設定しておけば、リンク先のガイドページを後でサポートスタッフが加筆することもできます。

第三弾の「サービスサイトとの棲み分けができていること」の項目でコメントをしたこととも関係しますが、お互い独立して支えあっていることに意義があると思います。

たとえば自動車を買おうとして何度かウェブサイトを見に行っているとします。もちろんサービスサイトです。ほしくて頻繁に見に行きます。

「この車買おうと思ってるんだ。かっこいいよね」と、意を決して家族に相談しようと思い、サイトにアクセスしたら、サイトの体裁が少し変わっていることに気づく……。

これまで注意事項とか書いてなかったのに、免責事項とか加筆が少しずつ多くなっている……。

これまで車のイメージとコンセプトで統一されていたのに、オプションの自動車保険の説明が増えてきた……。

カーナビゲーションの仕様変更がかなりのボリュームで掲載され、保険屋のサイトにカー用品店のサイトが混ざったようになってきた……。

車のような大きな買い物をしようとするときは、何度かサービスサイトを訪問しながら、その中にこのメーカーが信頼できるかどうか、他とは一線を画すビジョンやアティテュードがあるかどうかを常に感じとろうとするものです。

「このメーカーはビジョンがなく行き当たりばったりなのでは? ページも継ぎ足し継ぎ足ししているけど、全体を見据えられていないのでは?」

「会社の規模が小さくて仕方なくこうなっているのかな。コンセプトがないままサービス設計しているんじゃないか……」

そう思われたらおしまいです。

表玄関のサービスサイトから補足や追加情報を案内するための道筋(リンク)はあってよいのですが、基本は凛とした佇まいを保っておいてもらう。そして、リンク先には、サポートサイト側でわかりやすく情報を補う。

サービスサイトを補完できることは、サポートサイトの強みのひとつだと思います。

4)営業さんの補助

「こういうことってできるかな」というまじめな要望を営業さんがお客様から聞いてくることがあります。検証して「当サービスでもできた!」という場合はFAQやオンラインガイドに載せておきます。

希望している機能が本当にあるのかと質問を受けた場合、ガイドに実例や掲載があると説得力があり、営業さんも安心して案内できます。

5)潜在顧客への認知度があがる

いろんなタイプの記事やナレッジをアップしておくと、検索エンジン経由でまったく当サービスのことを知らなかったという方もアクセスしてくださることがあります。訪問者様にうっすらでも自分たちのサービスの記憶が残って、その後、縁あってサービス利用につながるということもあるかもしれません。

以上、

1)サポートスタッフ(更新者)の頭の整理

2)備忘と情報共有

3)サービスサイトの補足案内が柔軟にできる!

4)営業さんの補助

5)潜在顧客への認知度が上がる

など、サポートページを作ってよかったと思う点を挙げてみました。

冒頭にも書きましたが、サービスがインターネット上で生きている限りは、サポートサイトも作り終わることはないと思います。

もしサービスそのものをまったく刷新しなかったとしても、インターネット上のトレンドは日々変わり、大手のソフトウェアプロバイダーが大幅な仕様の変更を発表することもあります。世の中のクエスチョンは新しく生まれていくのです。

サポートサイトは、匿名のお客様が疑問を持ち、サポートスタッフが一緒に立ち止まって、検証して、改善しようとしてことの小さな歴史の蓄積です。他の誰かも同じように出会うかもしれないたくさんの「なんとかしたい」と思ったシーンが刻まれます。

多少大変だ、面倒だと思うかもしれませんが、いいことがあると信じでサポートサイトの更新を続けていただければと思っています。

ピックアップフレーズ
影武者どもの夢の跡

私がはじめて、「他人に見せてもいいウェブマニュアル」を意識して書きはじめたのは、私の会社勤め人生のきわめて初期の時代、某企業に出向してUNIXのウェブサーバーのシステム管理と、ウェブサイトのエンドユーザー様のサポートの仕事をしていた時のことでした。

HTMLでサポート対応に関するメモを書き、ウェブサーバー上に置いてBasic認証をかけていました。誰に頼まれるでもなく、公開する予定もありませんでしたが、「いつか見せられるものにしたい」という気持ちはあったと思います。

それから何年か経って、CloudGarageの「前身の前身」にあたるlivedoor レンタルサーバーのサポート担当になり、お客様に読んでいただくためのFAQとオンラインガイドページを更新できるということになりました。

それはインターネット上に公開されるページで、当然のように検索窓もついていました。手動のHTMLマニュアルを更新していた時分のものとは大きな違いです。とても嬉しかったのを覚えています。

サポートサイトは、たいていあまり人間味のない淡々とした文章でつづられています。

それは、匿名の影武者のようなサポートスタッフが、表に出て覚書をつづっていってよいというメディアであり、日々流れて消えていってしまう私たちの業務の中で、めずらしく形らしい形を残せるところです。

そして

「これは伝えておかないと」
「この情報は出しておかなきゃあとで忘れるな」
「同じ質問多いな、減らせないかな」
「何とか今後の役に立てられないかな」

という改善へ向けての奮闘の賜物でもあります。

青影青影
たまに「このサイトいつ作ったのかな?」と思うような古い情報を見かけることもありますが、やはり生きている情報にはアクセスしやすい時代になっているように感じます。それだけ企業にとって、ウェブ媒体は重要性を増しているのだと思います。

そして、まさに自分がサポートのメールを書くときに、サポートスタッフによって更新し続けているFAQのURLをメールでご案内することが頻繁にあります。

とくに技術情報については日々変わる可能性があります。案内するときも既存の情報を鵜呑みにせず、しっかりと情報の信憑性を確認し、責任をもって案内できるようにしたいと思います。
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赤影
赤影
生まれも育ちもこちらの事業部というサポートスタッフです。平素より筆ペンとGimpを愛用しています。
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